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たえちゃん★ひいひい人生★

まいにちを清々しく穏やかにすごしていきたい♪

シリーズ4 旅 1.十和田湖畔と高村光太郎、智恵子抄

添乗員をしていたころ、東北地方、青森県秋田県にまたがる十和田湖へは、何度も足を運びました。

 

十和田湖

二重カルデラ湖の十和田湖。 約20万年前に出来たと言われていて、ものすごく神秘的な湖。

湖畔にたつ高村光太郎制作の「乙女の像」 が、より神秘的なイメージを醸し出しています。

光太郎は、最愛の亡き妻、千恵子に想いを馳せて像を彫った、ということで、奥様への深い愛情が感じられます。

 

 

高村光太郎 最後の彫刻、「乙女の像」

この像の周りには、佐藤春夫が捧げた詩と、光太郎自身が書いた詩とが、刻まれています。

 

 

「乙女の像」に寄せる 佐藤春夫の詩

佐藤春夫の詩は、ロマンチックです。

 

天降(あまくだ)りしか 水沫(みなわ)凝りしか
あわれ いみじき  湖畔の乙女
ふたりむかいて 何をか語る


花かもみぢか 水の清らか
はたや いみじき 久遠の身をか
あらずみたりの ゆかしき人を

 

 

「乙女の像」に寄せる光太郎自身の詩

佐藤春夫の詩に比べて、光太郎の詩は、力強いです。

 

  銅とスズとの合金が立ってゐる。
  どんな造型が行はれようと
  無機質の図形にはちがひない。
  はらわたや粘液や脂や汗や生きものの
  きたならしさはここにない。
  すさまじい十和田湖の円錐空間にはまりこんで
  天然四元の平手打をまともにうける
  銅とスズとの合金で出来た
  女の裸像が二人
  影と形のように立ってゐる
  いさぎよい非情の金属が青くさびて
  地上に割れてくづれるまで
  この原始林の圧力に堪えて
  立つなら幾千年でも黙って立ってろ。

 

乙女の像 は 光太郎最後の彫刻作品となりました。

 

智恵子抄

良く知られた「智恵子抄

光太郎が最愛の奥様、智恵子を想って書いた詩集です。

彼女と結婚する以前(1912年)から彼女の死(1938年)、その後の3年、あわせて30年間にわたって書いた、彼女に関する詩29篇、短歌6首、3篇の散文が収録されています。

 

有名な詩では、これ。

 

智恵子抄 『あどけない話』

『あどけない話』

智恵子は東京に空が無いといふ、

ほんとの空が見たいといふ。

私は驚いて空を見る。

桜若葉の間に在るのは、

切つても切れない

むかしなじみのきれいな空だ。

どんよりけむる地平のぼかしは

うすもも色の朝のしめりだ。

智恵子は遠くを見ながら言ふ。

阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に

毎日出てゐる青い空が

智恵子のほんとの空だといふ。

あどけない空の話である。

 

智恵子さんと光太郎さん

智恵子さんは、統合失調症のために病院生活を余儀なくされ、最終的には肺結核で亡くなられました。

もともと芸術志向のあった奥様、病室には千代紙で折った千羽鶴から始まり、千代紙で切った切り絵等、千数百枚に及んだと言います。光太郎さんは、「これらすべてが、智恵子の詩であり、抒情であり、機知であり、生活記録であり、この世への愛の表明である。これを私に見せる時の智恵子の恥ずかしそうな嬉しそうな顔が忘れられない」  と回想されています。

 

智恵子さんの純粋な心によって、光太郎さんは、生きる道を再確認したといいます。

 

二人のお互いを思いやる愛が素晴らしいですね。

胸が熱くなってしまいました。

 

もう一度、智恵子抄、読んでみたいと、思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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